2010年 04月 12日
追悼 井上ひさしさん |
■作家・劇作家の井上ひさし氏が死去→記事。肺がんで闘病中ということは知っていたが、あまりに急なことでびっくり。というか、個人的には大きな悲嘆の思い...。
■私にとっては、青春時代の人間形成に大きな影響を及ぼした人物だった。たぶん、最初は小説を読んだのだと思う。何だったかは覚えていないけれど、それが面白くて、つまりは「ハマった」。幼少期に食い入るように見た「ひょっこりひょうたん島」の作者の一人が氏だったことを知って、「そういうことか」と合点が行ったりとかも。その後、自身の戯曲のみを上演する劇団「こまつ座」が旗揚げされたことで、劇作品も見聞することに。実際、初期の頃のこまつ座には「通い」ましたからね。そんな中で出会ったのが「イーハトーボの劇列車」。宮沢賢治の評伝劇であるこの作品は、書き下ろしの新作ではなく、他劇団へ提供したものの再演だったのだけれど、宮沢作品の登場人物が入り乱れて宮沢賢治自身を語って行ったり、役者たちが声で効果音を作ったりする手法を含めて、とにかく「よく出来ている」ことに感嘆。父と息子の葛藤みたいな部分も、当時の自分にはストレートに訴えかけてくるものがあって、この作品にはほんと「やられ」ました。そんなこんなで、氏の諸作品にすっかりハマり、それこそ貪るように読み、そして影響を受けた次第。ほんと、人間形成、人格形成にかなり影響を及ぼされたと思いますよ。
■とは言え、ここ10年ほどは井上作品からは遠ざかっていたのも事実。いや、特に意味はないのです。単純に「時間がなかった」だけ。新作戯曲もたくさん発表されたし、旧作も、蜷川幸雄演出で再演されたりして、それはそれで興味があったのだけど、他にやらねばならないことを押しのけてまで出掛けるほどの情熱は失っていたと。でも、最近になって、そろそろまた井上作品に向き合ってみようかと思っていたのです。中でも、今月から新国立劇場での上演(再演)が始まった所謂「東京裁判三部作」については、やっぱり観ておくべきだろうと、そんなことを思っていた、その矢先の訃報。驚いたし、誠に残念至極...。井上さん、日本と日本人の行く末について憂慮することばかりでしょうが、しかし、どうか安らかにお休みください。そして、素晴らしい作品の数々をありがとうございました。感謝の気持ちを込めつつ、心からご冥福をお祈りいたします。合掌。
■私にとっては、青春時代の人間形成に大きな影響を及ぼした人物だった。たぶん、最初は小説を読んだのだと思う。何だったかは覚えていないけれど、それが面白くて、つまりは「ハマった」。幼少期に食い入るように見た「ひょっこりひょうたん島」の作者の一人が氏だったことを知って、「そういうことか」と合点が行ったりとかも。その後、自身の戯曲のみを上演する劇団「こまつ座」が旗揚げされたことで、劇作品も見聞することに。実際、初期の頃のこまつ座には「通い」ましたからね。そんな中で出会ったのが「イーハトーボの劇列車」。宮沢賢治の評伝劇であるこの作品は、書き下ろしの新作ではなく、他劇団へ提供したものの再演だったのだけれど、宮沢作品の登場人物が入り乱れて宮沢賢治自身を語って行ったり、役者たちが声で効果音を作ったりする手法を含めて、とにかく「よく出来ている」ことに感嘆。父と息子の葛藤みたいな部分も、当時の自分にはストレートに訴えかけてくるものがあって、この作品にはほんと「やられ」ました。そんなこんなで、氏の諸作品にすっかりハマり、それこそ貪るように読み、そして影響を受けた次第。ほんと、人間形成、人格形成にかなり影響を及ぼされたと思いますよ。
■とは言え、ここ10年ほどは井上作品からは遠ざかっていたのも事実。いや、特に意味はないのです。単純に「時間がなかった」だけ。新作戯曲もたくさん発表されたし、旧作も、蜷川幸雄演出で再演されたりして、それはそれで興味があったのだけど、他にやらねばならないことを押しのけてまで出掛けるほどの情熱は失っていたと。でも、最近になって、そろそろまた井上作品に向き合ってみようかと思っていたのです。中でも、今月から新国立劇場での上演(再演)が始まった所謂「東京裁判三部作」については、やっぱり観ておくべきだろうと、そんなことを思っていた、その矢先の訃報。驚いたし、誠に残念至極...。井上さん、日本と日本人の行く末について憂慮することばかりでしょうが、しかし、どうか安らかにお休みください。そして、素晴らしい作品の数々をありがとうございました。感謝の気持ちを込めつつ、心からご冥福をお祈りいたします。合掌。
by wph1842
| 2010-04-12 01:00
| 日々雑感