2009年 09月 18日
「祝祭週間」2公演目 |
■NHK FMでも生中継された2公演目を聴いて参りました。ちなみに、「2公演目」と書きましたけども、実際は16日にスポンサー向け公演が行われているので、厳密に言えば3公演目なんですけどね。もっとも、そんなこと言ってると、自分が聴きに行かない演奏会のことはどう扱うんだ?ということにもなるので、ここはあくまでも自分が聴きに行った順番・回数を記載するということで。
■話長くなってますが(苦笑)、ちょっともう夜も遅いので、取り急ぎ第1稿という形で、概要と主な演奏メンバーのみ記しておきます。所感は、後で書き足すということで。まぁ、このパターンは「そのまま...」になる可能性も高いですが(苦笑)。とにかく「いろいろ思うところあった演奏会だったな」ということで、今日のところはひとつ...。
9月17日(木)19時開演:サントリーホール
指揮:ズービン・メータ
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第7番
<アンコール>
ヨーゼフ・ヘルメスベルガーJr:ポルカ「軽い足どり」
ヨハン・シュトラウスⅡ:ポルカ「雷鳴と電光」
主な演奏者。今回も前後半別々に。
<主な演奏者> *舞台オケ #待機団員 +補助団員
『オケコン』
Fl 1:フルーリー 2:フォーグルマイヤー 3/Picc:フェデルセル
Ob 1:ホラーク 2:+イェプストゥル弟 3/EH:エールベルガー
Cl 1:#オッテンザマー長男 2:ヴィーザー 3/BCl:トイブル
Fg 1:ミュラー 2:*キス 3/CFg:コブリッツ
Hrn 1:LMS 2:マイヤー 3:#ヤンコヴィッチ 4:+オプマン(ただし、並びは1→3→2→4の順。後日TV放映される際にはご注意を)
Trp 1:シュー 2:ハイメル 3:*ベルンドル
Trb 1:キューブルベック 2:#ウィルソン 3:シュトレッカー
Tub #ギーグラー
Timp #フォーク
Perc ツァウナー、+ヴィーザー
Hrp バルツェライト、*パプ
1Vn #ダナイローヴァ、シュトイデ
2Vn リッシー、シューベルト
Va リー、フローン
Vc ヴァルガ、ナジィ
Cb ラーツ、ギュルトラー
『ベト7』
Fl 1:フォーグルマイヤー 2:*シュルツ息子
Ob 1:ヘルト 2:+イェプストゥル弟
Cl 1:シュミードル 2:トイブル
Fg 1:ディンクハウザー 2:*キス
Hrn 1アシ:+オプマン 1:#ヤンコヴィッチ 2:+ライフ 2アシ:+ハルトナー
Trp 1:エダー 2:*ベルンドル
Timp #フォーク
1Vn シュトイデ、#ダナイローヴァ
2Vn リッシー、シューベルト
Va リー、フローン
Vc ナジィ、ヴァルガ
Cb ラーツ、ギュルトラー
『アンコール』
Hrn 1:#ヤンコヴィッチ 2:+ハルトナー 3:+ライフ 4:+オプマン
Trb 1:キューブルベック 2:#ウィルソン 3:シュトレッカー
Perc ツァウナー、マダス息子、#レヒナー、+ヴィーザー
■ここからは「第2稿」。演奏などについての私なりの所感をば。(18日午前記載)
■前半のバルトークは十二分に楽しみました。当団の奏でるバルトークってのは余所にはないもので、音色にしても音楽の歌い回しにしても、「ハンガリーハンガリー」(!?)はしていなくても、独特な中欧色とでも言うんでしょうかね、非常に芳醇なものを感じさせてくれるわけです。この演奏でも、その独特さは健在。今回は前回と逆のRAブロックで聴いたこともあり、1stヴァイオリン会やコントラバス会の音がダイレクトに飛んでくるので(ちなみに弦は所謂"対抗配置"。コンバス会が1stヴァイオリンの後ろに陣取る形)、音楽のダイナミックな変化や"うねり"をしっかりと味わうことができた次第。ほんとによく「歌い」ますよ、当団は。弦楽器陣は後ろのプルトの人たちまでしっかり歌うから、結果、すごい"うねり"につながる。それが、いろんな面でのダイナミクスレンジの広さにつながる。絶対に"のっぺり"にはならない。
■一方で、この曲には「協奏曲」としての側面、オケの機能性を発揮させられる部分もあるわけだけど、これについても、まぁ、細かいキズはあったにせよ、十分に堪能できるものでありました。思えば、この曲の存在を知った30年ほど前、当団でこの曲やらないのかなぁなんて思っていたら、マゼール指揮の演奏(1981年のもの)がFMで放送され、それを喜々として聴いたわけです。しかしこれがまぁ危なっかしかった(苦笑)。それを思うとね、今日の当団諸氏はこういう曲もまったく問題なく(でもない部分は時々あるけれど>苦笑)こなしますからね。私の席だと反射音が混じることもあり、噛み合わせが本当に合ってるんだろうかと思える部分もあったのだけど、正面位置で聴けば、その辺もおそらく問題なかったのではないかと。そうそう、この曲にはティンパニがどんどん音程を変えて叩く場所とかグリッサンドとかがあるわけですが、ご存知のように、当団の楽器は音程を手回しで変えるわけです。4楽章の1音ずつ音程が変わる箇所では、ティンパニのフォークがどんどんチューニングハンドルを回しながら叩いて、いやこれは見ものでありました(^^;。ご当人も終わった後でニンマリと満足そうな笑み(^^;。ただ、5楽章のグリッサンドはさすがに一人では演奏不可なので、小太鼓担当のツァウナーが助っ人参戦。見事な"共同作業"を見せてくれまして、これまた2人でニンマリ。私もニンマリ(笑)。この辺、テレビ収録されたのかなぁ。これぞ当団ならではの光景なので、記録してくれたことを祈るけども。
■曲の解釈という面で個人的に不満だったのは2楽章。いくらなんでも速すぎないか? あそこまで快速系だと、やっぱりせわしないし、曲の持つ諧謔さも今ひとつ感じきれない。でも、実際のテンポ指示はあんな感じなのかなぁと、帰宅してからスコアを見てみたら、4分音符74との記載。となると、私の感覚の方が作曲家の指示に近いんだな、やはり。メータは4分音符100近かったのではないかしら。これは完全にスピード違反。私が警察なら赤キップ(^^;
■さて、後半はベト7(関西圏の皆さんはべー7ですな)。これについては、個人的にはいささか期待はずれな結果に。というか、ある意味予想通りだったとも言えるのだけど。つまりはまぁ、特にこれと言った特徴のない、言ってみればオーソドックスな解釈で、当団諸氏にとっても、以前の日本公演における同曲演奏、ラトルやアーノンクールの時に要求されたような音楽的な「課題」を克服する必要はなかったわけですな。その結果として、いささかルーチンワーク的な、緊張感に欠ける演奏になってしまったのではないかと。全体的に「普通」な演奏で、おぉそう来たか!とか、これは指揮者とオケの真剣勝負だなぁ、とかの感慨を覚えるには至らなかった。もちろん、そういう演奏がすべて悪いわけではなく、安心感、安定感のある音楽作りの中かから、豊かな、そして幸福な音楽が生まれてくることだって十分にある。ただ、今回のベト7からは、そこまでのものは感じられなかったなと。まぁ、いろんな意味で「通常公演」だっかなと、そんな総括。
■あと、「通常公演」と思えたもう一つの側面がメンバー構成ね。管楽器の布陣に注目いただきたいのだけど、木管はクラ会以外が2番奏者が補助団員。ラッパ会も同じく。ホルン会に至っては「これはウィーンフィルなの?」状態だったし>当初トムベックが1番を吹くとの情報もあったので、メンツが出揃った時には心底びっくり(苦笑)。あと、フォーグルマイヤー(やや精彩を欠いた出来...)やディンクハウザーが1番を吹いたり、ホルンも唯一の正団員であるヤンコヴィッチは本来2番奏者なので、イレギュラーな運用だったりと、ある意味、ウィーン国立歌劇場におけるバレエ公演でよく見る布陣、的構成(^^;。いや、それはそれで当団の「真の姿」の一つですからね、私自身は「あり」だなと見たのではありますが、しかし、TV放映された時なんかに、多くの人は「これは誰!?」と不思議がるのではなかろうかと(^^;
■終演後はLMS氏オススメのドイツ居酒屋(?)へ。ホルン会のライフ、オプマン両氏も合流されましたので、我がウィンナホルン会の面々と記念写真。ちなみに、中央の方は、初日にご臨席されたプリンスではありませんので、念のため(笑)
■最後に余剰チケット情報。23日の兵庫県立芸術文化センター分です。日も迫っているので、ご所望の方はお早めにご連絡を。→naoya@sf.airnet.ne.jp
9月23日(水・祝)兵庫県立芸術文化センター B席1枚(2階2RB列)※価格応相談
■話長くなってますが(苦笑)、ちょっともう夜も遅いので、取り急ぎ第1稿という形で、概要と主な演奏メンバーのみ記しておきます。所感は、後で書き足すということで。まぁ、このパターンは「そのまま...」になる可能性も高いですが(苦笑)。とにかく「いろいろ思うところあった演奏会だったな」ということで、今日のところはひとつ...。
9月17日(木)19時開演:サントリーホール
指揮:ズービン・メータ
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第7番
<アンコール>
ヨーゼフ・ヘルメスベルガーJr:ポルカ「軽い足どり」
ヨハン・シュトラウスⅡ:ポルカ「雷鳴と電光」
主な演奏者。今回も前後半別々に。
<主な演奏者> *舞台オケ #待機団員 +補助団員
『オケコン』
Fl 1:フルーリー 2:フォーグルマイヤー 3/Picc:フェデルセル
Ob 1:ホラーク 2:+イェプストゥル弟 3/EH:エールベルガー
Cl 1:#オッテンザマー長男 2:ヴィーザー 3/BCl:トイブル
Fg 1:ミュラー 2:*キス 3/CFg:コブリッツ
Hrn 1:LMS 2:マイヤー 3:#ヤンコヴィッチ 4:+オプマン(ただし、並びは1→3→2→4の順。後日TV放映される際にはご注意を)
Trp 1:シュー 2:ハイメル 3:*ベルンドル
Trb 1:キューブルベック 2:#ウィルソン 3:シュトレッカー
Tub #ギーグラー
Timp #フォーク
Perc ツァウナー、+ヴィーザー
Hrp バルツェライト、*パプ
1Vn #ダナイローヴァ、シュトイデ
2Vn リッシー、シューベルト
Va リー、フローン
Vc ヴァルガ、ナジィ
Cb ラーツ、ギュルトラー
『ベト7』
Fl 1:フォーグルマイヤー 2:*シュルツ息子
Ob 1:ヘルト 2:+イェプストゥル弟
Cl 1:シュミードル 2:トイブル
Fg 1:ディンクハウザー 2:*キス
Hrn 1アシ:+オプマン 1:#ヤンコヴィッチ 2:+ライフ 2アシ:+ハルトナー
Trp 1:エダー 2:*ベルンドル
Timp #フォーク
1Vn シュトイデ、#ダナイローヴァ
2Vn リッシー、シューベルト
Va リー、フローン
Vc ナジィ、ヴァルガ
Cb ラーツ、ギュルトラー
『アンコール』
Hrn 1:#ヤンコヴィッチ 2:+ハルトナー 3:+ライフ 4:+オプマン
Trb 1:キューブルベック 2:#ウィルソン 3:シュトレッカー
Perc ツァウナー、マダス息子、#レヒナー、+ヴィーザー
■ここからは「第2稿」。演奏などについての私なりの所感をば。(18日午前記載)
■前半のバルトークは十二分に楽しみました。当団の奏でるバルトークってのは余所にはないもので、音色にしても音楽の歌い回しにしても、「ハンガリーハンガリー」(!?)はしていなくても、独特な中欧色とでも言うんでしょうかね、非常に芳醇なものを感じさせてくれるわけです。この演奏でも、その独特さは健在。今回は前回と逆のRAブロックで聴いたこともあり、1stヴァイオリン会やコントラバス会の音がダイレクトに飛んでくるので(ちなみに弦は所謂"対抗配置"。コンバス会が1stヴァイオリンの後ろに陣取る形)、音楽のダイナミックな変化や"うねり"をしっかりと味わうことができた次第。ほんとによく「歌い」ますよ、当団は。弦楽器陣は後ろのプルトの人たちまでしっかり歌うから、結果、すごい"うねり"につながる。それが、いろんな面でのダイナミクスレンジの広さにつながる。絶対に"のっぺり"にはならない。
■一方で、この曲には「協奏曲」としての側面、オケの機能性を発揮させられる部分もあるわけだけど、これについても、まぁ、細かいキズはあったにせよ、十分に堪能できるものでありました。思えば、この曲の存在を知った30年ほど前、当団でこの曲やらないのかなぁなんて思っていたら、マゼール指揮の演奏(1981年のもの)がFMで放送され、それを喜々として聴いたわけです。しかしこれがまぁ危なっかしかった(苦笑)。それを思うとね、今日の当団諸氏はこういう曲もまったく問題なく(でもない部分は時々あるけれど>苦笑)こなしますからね。私の席だと反射音が混じることもあり、噛み合わせが本当に合ってるんだろうかと思える部分もあったのだけど、正面位置で聴けば、その辺もおそらく問題なかったのではないかと。そうそう、この曲にはティンパニがどんどん音程を変えて叩く場所とかグリッサンドとかがあるわけですが、ご存知のように、当団の楽器は音程を手回しで変えるわけです。4楽章の1音ずつ音程が変わる箇所では、ティンパニのフォークがどんどんチューニングハンドルを回しながら叩いて、いやこれは見ものでありました(^^;。ご当人も終わった後でニンマリと満足そうな笑み(^^;。ただ、5楽章のグリッサンドはさすがに一人では演奏不可なので、小太鼓担当のツァウナーが助っ人参戦。見事な"共同作業"を見せてくれまして、これまた2人でニンマリ。私もニンマリ(笑)。この辺、テレビ収録されたのかなぁ。これぞ当団ならではの光景なので、記録してくれたことを祈るけども。
■曲の解釈という面で個人的に不満だったのは2楽章。いくらなんでも速すぎないか? あそこまで快速系だと、やっぱりせわしないし、曲の持つ諧謔さも今ひとつ感じきれない。でも、実際のテンポ指示はあんな感じなのかなぁと、帰宅してからスコアを見てみたら、4分音符74との記載。となると、私の感覚の方が作曲家の指示に近いんだな、やはり。メータは4分音符100近かったのではないかしら。これは完全にスピード違反。私が警察なら赤キップ(^^;
■さて、後半はベト7(関西圏の皆さんはべー7ですな)。これについては、個人的にはいささか期待はずれな結果に。というか、ある意味予想通りだったとも言えるのだけど。つまりはまぁ、特にこれと言った特徴のない、言ってみればオーソドックスな解釈で、当団諸氏にとっても、以前の日本公演における同曲演奏、ラトルやアーノンクールの時に要求されたような音楽的な「課題」を克服する必要はなかったわけですな。その結果として、いささかルーチンワーク的な、緊張感に欠ける演奏になってしまったのではないかと。全体的に「普通」な演奏で、おぉそう来たか!とか、これは指揮者とオケの真剣勝負だなぁ、とかの感慨を覚えるには至らなかった。もちろん、そういう演奏がすべて悪いわけではなく、安心感、安定感のある音楽作りの中かから、豊かな、そして幸福な音楽が生まれてくることだって十分にある。ただ、今回のベト7からは、そこまでのものは感じられなかったなと。まぁ、いろんな意味で「通常公演」だっかなと、そんな総括。
■あと、「通常公演」と思えたもう一つの側面がメンバー構成ね。管楽器の布陣に注目いただきたいのだけど、木管はクラ会以外が2番奏者が補助団員。ラッパ会も同じく。ホルン会に至っては「これはウィーンフィルなの?」状態だったし>当初トムベックが1番を吹くとの情報もあったので、メンツが出揃った時には心底びっくり(苦笑)。あと、フォーグルマイヤー(やや精彩を欠いた出来...)やディンクハウザーが1番を吹いたり、ホルンも唯一の正団員であるヤンコヴィッチは本来2番奏者なので、イレギュラーな運用だったりと、ある意味、ウィーン国立歌劇場におけるバレエ公演でよく見る布陣、的構成(^^;。いや、それはそれで当団の「真の姿」の一つですからね、私自身は「あり」だなと見たのではありますが、しかし、TV放映された時なんかに、多くの人は「これは誰!?」と不思議がるのではなかろうかと(^^;
■終演後はLMS氏オススメのドイツ居酒屋(?)へ。ホルン会のライフ、オプマン両氏も合流されましたので、我がウィンナホルン会の面々と記念写真。ちなみに、中央の方は、初日にご臨席されたプリンスではありませんので、念のため(笑)
■最後に余剰チケット情報。23日の兵庫県立芸術文化センター分です。日も迫っているので、ご所望の方はお早めにご連絡を。→naoya@sf.airnet.ne.jp
by wph1842
| 2009-09-18 02:13
| ウィーンフィル