2010年 11月 09日
まだまだやれるのに... |
■祝祭週間中は例年そうなるのだけれど、とにかく眠い(苦笑)。演奏会が終わった後に飲食してから帰ってくるのがパターンだし、今年は、それに加えて3日にはウィンナホルン会の特別例会もあって、これまた飲食→深夜帰宅パターンだったし。さらに、例のセミナー補助仕事が2日あったことで、疲れが倍増。立ちっぱなし仕事は、やっぱりキツかった。(ほぼ)連夜の深夜帰宅で寝不足気味のところに持ってきての立ちっぱなし。これで決定的。歳もトシだから(苦笑)、なかなか疲れが抜けません。よって、ちょっとでも時間があるとウトウトと...。祝祭週間も残り2日。もう一頑張りしないとねぇ。
■その祝祭週間の番外編とでも言うか、昨晩(11月8日)文京シビックホールの小ホールで行われた「ウィーン木管アンサンブルコンサート」というのに行ってきた。タイトルからすると、ウィーンフィルの管楽器メンバーによる演奏会!? と思えてしまうけれど、実際は、ウィーンフィルからオーボエのホラークとホルンのトムベックが参加し、それ以外のメンバー(フルート、クラリネット、ファゴット、ピアノ)は、学生を含む日本人の若手たちという組み合わせの演奏会。ピアノ以外の3人は東京藝大の学生(大学院生含む)とのことで、いや、見た目からしてほんとに「若い」人たちでした(^^;。ピアノ、フルートの女史2人がウィーンに留学している時に知り合って、そのツテでホラーク、トムベック両氏にお声がけし、共演の快諾を得たことで、フルートさんが大学の後輩を誘って今回のアンサンブルを組んだ、という経緯だったとのこと。この辺は、ご本人たちからその旨の説明がありました。ホラーク、トムベック両氏にもマイクを持たせたりして、いや、そういう面でもなかなかに貴重な演奏会(^^;。320人ほど入る会場はほぼ満席で、関係者が多かったのであろうとは推察するけれど、それにしても立派な集客。せっかくやるんだからと、気合いを入れて臨んだのでしょうね。私は、行けるかどうかギリギリまでわからなかったので当日券で入場。
■プログラムは、モーツァルトのピアノと管楽器の五重奏曲、ドップラーの「リギの思い出」(Fl、Hrn、Pf)、シューマンの「三つのロマンス」(Ob、Pf)、そして全員登場してのプーランクの六重奏曲。肝心の演奏だけれども、私はとても楽しみました。ホラーク、トムベックご両人の素晴らしさは、そりゃもう「申すまでもない」ことだけど、若手たちも十分に健闘しており、ご両人の胸を借りて精一杯かつしっかりとした演奏を行っておりました。ウィーンフィルメンバーと若手(もしくは無名の)日本人演奏者との組み合わせということになると、あまりにその音楽的な「格」が違いすぎて、聴いてる方がツラくなるなんてこともあるのだけれど、今回はそういうことはなし。もちろん「格」は違いましたよ。音楽の懐の深さ、音楽的アイデアの引き出しの多さ・多彩さ、歌心、諸々そういった部分は、そりゃまぁ仕方がないことだけれども、ウィーン組との間にはまだまだ開きがありました。でも、かなり健闘していたのですよ。もともと腕は確かな若手たちだったようだから、お二人から大きな刺激を受けつつ、一所懸命演奏したのでしょう。そういう姿勢は、十分に伝わって参りました --- と、若手たちの健闘を讃えておるのですが、実はこれ、ある1人の奏者を除いて、ということになりますんで、そこんとこよろしく、とも...。敢えてどの奏者とは申しませんが、この人だけはいただけなかったなぁ。演奏技術がどうこうよりも、とにかく「音楽」が見えていない。ウィーン組が素晴らしいお手本を示してくれるのに、それに対してまったく反応できていない。彼らの音楽を咀嚼できていない。他の3人が健闘していただけに、この方の突出した無反応ぶりが際立ってしまっておりました。残念。
■改めてになるけれど、ホラークとトムベックは、こりゃ本当に素晴らしかったです。特にトムベック。私なりの所感を申し上げればね、「あまりに勿体ない」。ご存知の通り、昨シーズンを以て首席の座を降り、現在は4番奏者の位置にある。今回の来日公演でも4番を吹いてます。ここまでのところは「新世界」、明日以降だと「トリスタン…」とブルックナー9番で、それぞれ4番を吹く予定。この首席降板はご本人の強い意向によるもので、決して周りから肩を叩かれたわけではない。ご本人にはご本人なりの思いがあってのことなのだろうけども、しかし、今回のような演奏を聴いてしまうと、「まだまだやれるじゃないですか」のひと言を言いたくなるわけで。勿体ないよなぁ。今晩だって、ウィンナホルンの説明ってコーナーがあったんだけど、そこでデモで吹いたのが「ティル…」の冒頭ですよ。それも律儀に2回(^^;。それは紛れもないウィーンフィル首席の吹く「ティル…」だったわけで、ねぇ、まだまだやれるじゃない...。首席を降りたことで、いろんな意味で「余裕」が生まれ、結果的にその時間を室内楽活動に振り向けてくれるのだったら、それはそれで重畳なのだけども。ほんと、頼みますよトム大将。まだまだ一線で演奏活動を続けてください。心からのお願い。
■ホラークも素晴らしかったなぁ。冒頭のモーツァルトでは、随所で「かくあらねばならない」フレージングや音楽的な仕掛けを見せてくれたし、ソロを取ったシューマンでは、これぞロマン派!とでも言うべき深遠なる歌心と音楽の明滅を示してくれたし。甚だ僭越な物言いをさせていただければ、成長したね、ホラークは。ウィーン響から移籍してきた頃は、いろんな意味で「線の細い」奏者だったのだけど、国立歌劇場およびウィーンフィルでの十数年で、音にも音楽にも、一本強靱な筋が通るようになった。人を化けさせるオケ、ウィーンフィルの、その成功例の一つでしょう。
■最後にどうでもいいことなのですが、日本の若手女性奏者たちって、こういう時の"いでたち"がなんでああもキャバクラふうになるんすかね?(笑)。3人とも髪を「盛って」、服装もきらびやかなドレス。行ったことないけど、キャバクラ嬢ってあんな感じなんじゃないの?? せっかくの晴れの舞台だからということなんだろうけど、個人的には、黒のドレスとかのシンプルな装いでやってくれた方が、却ってグッと来るのだけど... って、話の趣旨が変わってる!?(苦笑)
■その祝祭週間の番外編とでも言うか、昨晩(11月8日)文京シビックホールの小ホールで行われた「ウィーン木管アンサンブルコンサート」というのに行ってきた。タイトルからすると、ウィーンフィルの管楽器メンバーによる演奏会!? と思えてしまうけれど、実際は、ウィーンフィルからオーボエのホラークとホルンのトムベックが参加し、それ以外のメンバー(フルート、クラリネット、ファゴット、ピアノ)は、学生を含む日本人の若手たちという組み合わせの演奏会。ピアノ以外の3人は東京藝大の学生(大学院生含む)とのことで、いや、見た目からしてほんとに「若い」人たちでした(^^;。ピアノ、フルートの女史2人がウィーンに留学している時に知り合って、そのツテでホラーク、トムベック両氏にお声がけし、共演の快諾を得たことで、フルートさんが大学の後輩を誘って今回のアンサンブルを組んだ、という経緯だったとのこと。この辺は、ご本人たちからその旨の説明がありました。ホラーク、トムベック両氏にもマイクを持たせたりして、いや、そういう面でもなかなかに貴重な演奏会(^^;。320人ほど入る会場はほぼ満席で、関係者が多かったのであろうとは推察するけれど、それにしても立派な集客。せっかくやるんだからと、気合いを入れて臨んだのでしょうね。私は、行けるかどうかギリギリまでわからなかったので当日券で入場。
■プログラムは、モーツァルトのピアノと管楽器の五重奏曲、ドップラーの「リギの思い出」(Fl、Hrn、Pf)、シューマンの「三つのロマンス」(Ob、Pf)、そして全員登場してのプーランクの六重奏曲。肝心の演奏だけれども、私はとても楽しみました。ホラーク、トムベックご両人の素晴らしさは、そりゃもう「申すまでもない」ことだけど、若手たちも十分に健闘しており、ご両人の胸を借りて精一杯かつしっかりとした演奏を行っておりました。ウィーンフィルメンバーと若手(もしくは無名の)日本人演奏者との組み合わせということになると、あまりにその音楽的な「格」が違いすぎて、聴いてる方がツラくなるなんてこともあるのだけれど、今回はそういうことはなし。もちろん「格」は違いましたよ。音楽の懐の深さ、音楽的アイデアの引き出しの多さ・多彩さ、歌心、諸々そういった部分は、そりゃまぁ仕方がないことだけれども、ウィーン組との間にはまだまだ開きがありました。でも、かなり健闘していたのですよ。もともと腕は確かな若手たちだったようだから、お二人から大きな刺激を受けつつ、一所懸命演奏したのでしょう。そういう姿勢は、十分に伝わって参りました --- と、若手たちの健闘を讃えておるのですが、実はこれ、ある1人の奏者を除いて、ということになりますんで、そこんとこよろしく、とも...。敢えてどの奏者とは申しませんが、この人だけはいただけなかったなぁ。演奏技術がどうこうよりも、とにかく「音楽」が見えていない。ウィーン組が素晴らしいお手本を示してくれるのに、それに対してまったく反応できていない。彼らの音楽を咀嚼できていない。他の3人が健闘していただけに、この方の突出した無反応ぶりが際立ってしまっておりました。残念。
■改めてになるけれど、ホラークとトムベックは、こりゃ本当に素晴らしかったです。特にトムベック。私なりの所感を申し上げればね、「あまりに勿体ない」。ご存知の通り、昨シーズンを以て首席の座を降り、現在は4番奏者の位置にある。今回の来日公演でも4番を吹いてます。ここまでのところは「新世界」、明日以降だと「トリスタン…」とブルックナー9番で、それぞれ4番を吹く予定。この首席降板はご本人の強い意向によるもので、決して周りから肩を叩かれたわけではない。ご本人にはご本人なりの思いがあってのことなのだろうけども、しかし、今回のような演奏を聴いてしまうと、「まだまだやれるじゃないですか」のひと言を言いたくなるわけで。勿体ないよなぁ。今晩だって、ウィンナホルンの説明ってコーナーがあったんだけど、そこでデモで吹いたのが「ティル…」の冒頭ですよ。それも律儀に2回(^^;。それは紛れもないウィーンフィル首席の吹く「ティル…」だったわけで、ねぇ、まだまだやれるじゃない...。首席を降りたことで、いろんな意味で「余裕」が生まれ、結果的にその時間を室内楽活動に振り向けてくれるのだったら、それはそれで重畳なのだけども。ほんと、頼みますよトム大将。まだまだ一線で演奏活動を続けてください。心からのお願い。
■ホラークも素晴らしかったなぁ。冒頭のモーツァルトでは、随所で「かくあらねばならない」フレージングや音楽的な仕掛けを見せてくれたし、ソロを取ったシューマンでは、これぞロマン派!とでも言うべき深遠なる歌心と音楽の明滅を示してくれたし。甚だ僭越な物言いをさせていただければ、成長したね、ホラークは。ウィーン響から移籍してきた頃は、いろんな意味で「線の細い」奏者だったのだけど、国立歌劇場およびウィーンフィルでの十数年で、音にも音楽にも、一本強靱な筋が通るようになった。人を化けさせるオケ、ウィーンフィルの、その成功例の一つでしょう。
■最後にどうでもいいことなのですが、日本の若手女性奏者たちって、こういう時の"いでたち"がなんでああもキャバクラふうになるんすかね?(笑)。3人とも髪を「盛って」、服装もきらびやかなドレス。行ったことないけど、キャバクラ嬢ってあんな感じなんじゃないの?? せっかくの晴れの舞台だからということなんだろうけど、個人的には、黒のドレスとかのシンプルな装いでやってくれた方が、却ってグッと来るのだけど... って、話の趣旨が変わってる!?(苦笑)
by wph1842
| 2010-11-09 02:20
| ウィーンフィル